若狭國一宮 若狭彦神社について

1300年余りの歴史を有する、若狭國一宮 若狭彦神社。
戦前までは若狭地域で唯一の国幣中社として、この地域で最も格式高く尊崇されており、上社下社ともに本殿・神門・随神門は福井県の文化財に指定されております。

祭神は、彦神社は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと・山幸彦)、姫神社は豊玉姫命(とよたまひめのみこと・乙姫)であり、共に、海上安全・海幸大漁の守護神として信仰されています。

若狭彦神社
上社 若狭彦神社
若狭姫神社
下社 若狭姫神社

御由緒

小浜市下根来白石に鵜ノ瀬というところがある。遠敷川の清流が突き当たって淵をなしている巨巌の上に、先ずは若狭彦神、次いで若狭姫神が降臨されたと伝えられる。この南方 150mの所に創祀の社と伝えられる白石神社がある。その後、永久鎮座の地をもとめて若狭国内を巡歴された末、霊亀元年9月10日に竜前に若狭彦神社、6年後の養老5年2月10日に遠敷に若狭姫神社が鎮座、現在に至っている。

下社は古来、若狭姫神社、遠敷神社(遠敷明神)と称していたが、明治4年、国幣中社に列せられ官祭を仰せ出された後は若狭彦神社下社と公称されるようになった。

御神徳は広大無辺にして、古来より現代に至るまで皇室の御崇敬を始め、庶民一般の信仰が篤く、特に農業・漁業・安産育児、畳・敷物商工業の守護神として信仰が深い。

神社名

延喜式所載(平安時代)
若狭比古神社 二座(明神大社)
若狭國一宮 若狭彦神社

創建

(奈良時代 8世紀初頭)
【上社】霊亀元年(715年)9月10日鎮座
【下社】養老5年(721年)2月10日鎮座

所居

福井県神社庁

御祭神

【上社】彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
【下社】豊玉姫命(とよたまひめのみこと)

御神木

【千年杉】
下社御垣内にある。目通 6m、樹高 40m。
遠敷の千年杉として名高い。古来より不老長寿の象徴として篤く信仰される。

【乳の木】
下社境内にある、銀杏の木。目通 4m、樹高 40m。
枝の下から瘤が垂れ下がってあたかも乳のごとき形をしている。母乳少なき者、この木に祈れば豊に授かると伝えられる。

【夫婦杉】
夫の木、目通 3.5m、樹高 40m。
婦の木、目通 3m、樹高 30m。
上社境内楼門前にある、二本が根元においてピッタリと密着している。祈れば夫婦円満の御利益があるとされる。

【招霊の木(おがたまのき)】
下社境内能舞台前にある。目通 2.5m、樹高 18m。
明治の中頃に京都御所より拝受、植栽されたと伝えられる。(小浜市指定 天然記念物)

境内社

【上社】
● 若宮神社
祭神 : 鸕鶿草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)
相殿 : 大山祇神、蟻通神
ご祭神は神武天皇の父、若狭彦神・若狭姫神の子。
『日本書紀』によれば、ご祭神が誕生した産屋は全て鵜の羽を草として葺いたが、屋根の頂上部分をいまだ葺き合わせないうちに生まれ、これにより、母親の豊玉姫がこの名を付けたと伝えられる。安産の神ととしての信仰が篤い。
蟻通神は別名、大名持命(おおなもちのみこと)。唐の国から日本人の才を試そうと、幾重にも曲がった玉に緒を通すようにとの難題が出された時、蟻に糸を結びつけて通したと伝えられる知恵の神。学業成就としての信仰が篤い。

【下社】
● 中宮神社
祭神 : 玉依姫命(縁結び、恋愛成就、家内安全、子授け、安産の神)
神武天皇(初代天皇)の母であり、天皇の祖母である豊玉姫の妹神。

● 日枝神社
祭神 : 大山咋神(おおやまくいのかみ)
相殿 : 宗像神(交通安全の神)、稲荷神(豊作・商売繁盛の神)、愛宕神(火鎮めの神)、金刀比羅神(海上守護の神)、夢彦神・夢姫神(夢を叶える神)
*特に夢彦神・夢姫神を祀る神社は全国でもここだけ。

● 玉守神社
祭神 : 玉守神
古来より「玉」は特殊な霊力が宿る石だと信じられてきた。古事記に海神が若狭彦神に告げた文献が残っている。困った時に「塩盈珠(しほみつたま)を出して溺らし、若し其れ愁ひ請(まを)さば、塩乾珠(しほふるたま)を出して活(い)かし」とある。現在では奇跡を呼ぶ神として崇められている。

境外社

● 白石神社(小浜市下根来白石鎮座)
祭神 : 若狭彦神、若狭姫神(白石大神または鵜ノ瀬大神)

● 小浴神社(小浜市金屋鎮座)
祭神 : 若狭彦神、若狭姫神
別名 小南神社

旧社格

國幣中社

所在地

【上社】917-0243 福井県小浜市竜前28-7( Google Map
【下社】917-0241 福井県小浜市遠敷65-41( Google Map

電話番号

0770-56-1116(下社 若狭姫神社 社務所)

宮司

梶 道嗣

国指定 重要文化財

太刀 銘 宗□(伝宗近)(東京国立博物館)
平安時代の作。寛政7年(1795年)に奉納された。刃長79.1センチメートル。銘は宗の次の1字は不明。

詔戸次第(乾元二年卯月廿一日)1巻
鎌倉時代、乾元2年(1303年)の若狭国の若狭大明神に伝来した詔詞の古写本。

県指定 文化財

【上社】若狭彦神社(本殿・神門・随神門)
【下社】若狭姫神社(本殿・神門・随神門)

市指定 文化財

【有形民俗文化財】
奉納船と神体船 / 弁才船模型「海幸丸」

【天然記念物】
下社 若狭姫神社 招霊の木(おがたまのき)